おおきな きの したで、
ストンパーズが
れんしゅうを していました。
おかの ひとたちは、
その きを
カタラズの き と
よんでいます。
なぜだか わかりません。
でも、むかしから
みんな そう よぶのです。
ストンパーズは、
ダンマリヶ丘の
めいぶつバンドです。
バンスが
どっしりとした リズムを
ふいています。
ポン
ポン
ポン
ポン
ジュウスケは、
その おとの うえを
たのしそうに
ふいています。
クロンは
ふめんを みながら、
ていねいに
ふいています。
レモは
みんなの おとを
よく きいています。
ストンパーズの おとは、
きょうも にぎやかに
ひびいていました。
ところが――
「また かわった」
クロンが
めを ぱちくり させました。
ジュウスケは
へへっと わらって、
いいました。
「きょうは こっちの きぶん♪」
そして また、
さっきとは ちがう フレーズを
ふきました。
クロンは
ちょっと こまった かおを します。
「でも……
さっきの ほうが
ふめんに ちかい」
レモが
クロンの ほうをみて、
いいました。
「パパ、
だいじょうぶだよ。
いつものことだよ♪」
レモは
ちっとも あわてません。
すると レモは、
もういちど
やさしく いいました。
「パパが
ちゃんと いてくれるから、
みんな あんしんして
ふけるんだよ♪」
クロンは
きょとんと して、
レモを みました。
ジュウスケも
にかっと わらって、
いいました。
「そうそう。
クロンが ちゃんとしてるから、
おれも すきに ふけるんだ」
クロンは
ちょっと てれて、
ふめんを もちなおしました。
そのあいだも、
バンスは にこにこ
リズムを ふいています。
ポン
ポン
ポン
ポン
たのしければ OK。
バンスは いつも
そう おもっています。
だから だれかが
すこしくらい ちがっても、
ちっとも きにしません。
ただ うれしそうに、
みんなの したで
しっかりと おとを
ささえているのです。
ジュウスケは
また べつの フレーズを
ふきました。
クロンは
また すこし
びっくりしました。
でも こんどは、
さっきほど
こまりませんでした。
バンスの リズムが あります。
レモは おちついています。
ジュウスケは じゆうです。
その まんなかで、
クロンも そっと
じぶんの おとを
かさねました。
きちんとした おとの なかに、
クロンの じゆうも
すこしずつ
まざっていきます。
すると なんだか、
さっきよりも
もっと きもちよく
きこえてきました。
そのとき、
クロンは おもいました。
ああ、
わたしも
おかの いちいんに
ちかづけたのかもしれない。
レモが
くすっと わらって
いいました。
「ね。
だいじょうぶだったでしょ♪」
クロンも
すこし わらって、
「うん」
と いいました。
ストンパーズには、
それぞれの やくわりが あります。
じゆうに ふく ひと。
きちんと ふく ひと。
どっしり ささえる ひと。
みんなを よく きいている ひと。
だから ストンパーズの おとは、
きょうも たのしく、
ひとつに きこえるのでした。


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