ダンマリヶ丘のハーモニカ吹きたち 【第1話】モカさんのこうぼう

ダンマリヶ丘のハーモニカ吹きたち

モカさんの しゅうりこうぼうから、
きゃっきゃっきゃっと
わらいごえが きこえてきます。

「ヂムー!
まてまて!
それは だめだ!」

どたどたどた。

ちいさなおとこのこが、
こうぼうの なかを
はしりまわっています。

くびには、
ちいさな あかいハーモニカ。

でも いま ふいているのは、
おきゃくさんの ハーモニカです。

ぷっぷー。
ぴょろろー。

「ヂム、
それは もうすぐ
おきゃくさんが くるやつだろう」

モカさんは あわてて
あとを おいかけます。

つくえの うえには、
ハーモニカが いっぱい。

なおすもの。
あずかっているもの。
ぴかぴかに なったもの。

その あいだを、
ヂムは するり するりと
すりぬけていきます。

「こらこら、
そこは あぶないよ」

やっと つかまえると、
モカさんは ヂムの てから
ハーモニカを そっと とりました。

「もうすぐ おきゃくさんが くるのに、
また あらわないと いけないだろう。
だめだぞ」

ヂムは きょとんと しています。

モカさんは いそいで
ハーモニカを ぶんかいして、
きれいに あらって、
また もとどおりに くみたてます。

ちいさな ねじ。
うすい いた。
ぴかっと ひかる カバー。

モカさんの ゆびは、
すいすい うごきます。

あっというまに、
ハーモニカは もとの
きれいな すがたに もどりました。

モカさんは
ヂムの あたまを
ぽんぽん、と かるく たたいて、
いいました。

「おまえの ハーモニカは
これだろう」

そして、
くびから ぶらさがっている
あかい ハーモニカを
ヂムの くちもとへ
そっと もっていきました。

ヂムは にっこり わらって、
その あかい ハーモニカを
ぷうーっと ふきました。

やさしい おとが、
こうぼうに ひろがります。

つくえの うえには、
なおった ハーモニカ。
その となりには、
わらっている ヂム。

ここは、
モカさんの しゅうりこうぼう。

ダンマリヶ丘の
にぎやかな あさは、
きょうも ここから
はじまるのでした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました