ヂムは、
モカさんの おとが
だいすきでした。
モカさんは
しゅうりの とき、
いつも おとを たしかめるために
ハーモニカを ふきます。
ぷう。
ぴい。
ぷう。
ぴい。
まっすぐで、
きれいな ドレミでした。
でも モカさんは、
きょくを ふくのは
あまり とくいでは ありません。
だから それは、
ただ おとを たしかめるための
ドレミでした。
けれど ヂムは、
その おとが きこえると
とても うれしそうな かおを
するのでした。
つくえの したで
にこにこ しながら きいたり、
ざぶとんの うえで
あんしんしたように
うとうと したり。
ちいさいころから
なんども なんども
きいてきたので、
ヂムにとって
モカさんの おとは
だいじょうぶの おと
だったのです。
あるひ、
しゅうりを しながら
モカさんは
うれしそうに きいている ヂムをみて、
ちいさく わらって いいました。
「おまえは、
おれの おとが
すきなのかい」
ヂムは
にこっと わらいました。
それから
いつものように
あんしんしたかおで、
すやすやと
ねむってしまいました。
モカさんは
ねむっている ヂムを
ちらっとみて、
また そっと
ドレミを ふきました。
ぷう。
ぴい。
ぷう。
ぴい。
ダンマリヶ丘の こうぼうには、
そのひも
モカさんの まっすぐな おとが
やさしく ひびいていたのでした。

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