クロマチックは、ブルース、複音に比べると、非常に分かりやすい音の並びになっています。
1オクターブ覚えればみんな一緒
・クロマチックの音配列(12穴)
※1つの穴で、4つの音を出すことが出来ます。上記の表では、一番上から、
①そのまま吹く音
②ボタンを押して吹く音
③吸う音
④ボタンを押して吸う音
を示しています。
クロマチックには、色々な音域があるのですが、上記の表は3オクターブ(12穴)のものです。他にはこれより低い「ソ」から始まる3オクターブ半のモデル(14穴)や、1オクターブ低い「ド」から始まる4オクターブ(16穴)のモデルがあります。
クロマチックハーモニカも、複音と同じく、「ドミソ」が吹く、「レファラシ」が吸うという原則に従っています。
(ボタンを押すと、全ての音が半音あがります。)
ただ、複音と違って、同じ「ド」の音が2つ並んでいます。
このように、「ドミソ」にもう1つ「ド」を足す事によって、「レファラシ」と同じ4音になりますから、オクターブが変わっても複音のように配列がずれていく事はありません。
1つのオクターブを覚えれば、それが同じ配列で並んでいるだけですから、とてもシンプルです。フレーズや曲を覚えたら、それをオクターブ違いで吹く事も容易です。
ただし、一番右の穴の「ボタン吸」の音、ここは普通だったら「ド」になるのですが、ここだけは「レ」です。(赤字)
たぶん少しでも音域を広げたったのでしょうね。「ド」は最右穴を吹いても出ますから。
異吹同音
表を見るとわかりますが、クロマチックハーモニカでは、構造上、「ド、ド♯、ファ」だけ、同じ音が何箇所かに存在します。
実際の演奏では、フレーズの中の、前後の音のつながりなどを考えて、どの位置の音を使うかを決めます。
できるだけ吹く音は吹く音、吸う音は吸う音とつなげると、レガートに演奏できます。
例えば、「シドレ~」というフレーズがあれば、「ド」を「シ♯」で吹けば、全て吸う音になり、一息で吹く事ができます。
このような奏法のことは、「替え指」とか、「替え吹き」とか呼ばれています。