クロマチックハーモニカといえば、ボタンで#や♭の半音を演奏できるので、 『1本あれば、色々の調子の曲を演奏できる!』 って良く言われますよね。
確かにそうです。確かにそうなんですが、その為には、 色々な調子のスケール(音階)を練習する必要があるんです。
『移動ド』の考え方でいけば、色々な調子の『ドレミファソラシド』=『メジャースケール』を覚えないといけないって事ですね。(全部で12種類あります!!)
という事で、今回は、出来るだけ効率的に、クロマチックハーモニカのメジャースケールを練習する方法をお伝え出来たらと思います!
まず、最初の目標は、【12調子で『ドレミファソラシド』を吹けるようになる】にしましょう♪
今回は、『五線譜』を使わず、『音マップ』という図を使って練習する方法を紹介します。
楽譜が苦手な方でも、効率よくスケールを覚えられますよ!
順番が大事
効率よくスケールを覚えるには、順番がとても大事ですので、まずはその話を。
スケールを覚える時は、
◉♭系(楽譜上で♭を使って表記される調子)は、調号の♭が増えていく順
C⇒F⇒B♭⇒E♭⇒A♭⇒D♭⇒G♭
◉♯系(楽譜上で♯を使って表記される調子)は、調号の♯が増えていく順
C⇒G⇒D⇒A⇒E⇒B⇒F#
で覚えましょう。※G♭とF♯は、表記が違うだけで、同じ調子です。
この順番で、それぞれの調子の、音名と階名を表にしたものが、↓↓↓です。
♭系のスケール
この順だったら、下に向かって、一つずつ♭の音が増えていくだけなんですね。(赤枠の部分)
新しい調子を覚えるときに、その変化する音だけ気にしていけば良いわけです。
変化するのは、それぞれのスケールの4(ファ)の音です。
(※これ以降は、「階名」を数字で表記します。)
4の音以外は、表のひとつ上の調子と全く同じです。
新しいスケールを練習する時は、まずは1〜4(ド〜ファ)までの音を吹けるようにしちゃいましょう!
そして、残りの5671は、表の一つ上の1234と同じなので、
もうすでに練習した音の並びですね♪
これをくっつけてしまえば、メジャースケールが出来上がりです。
それぞれ4つの音のかたまりを、音マップ上の『フォーム(形)』で捉えると覚えやすいですよ♪
音マップを使った、♭系のスケールの練習の方法はコチラから!!
※説明の中で、『5671』は、1つ上の調子の『1234』と同じだというお話をしていますが、
これは『音名』が同じだから、『音名=音の位置』を覚える時に便利というだけです。
『階名』は調子によって変わるので、それぞれの調子の中で、同じ音でも、その役割は変わってきます。
【練習用のフレーズ】が、『1234』用と『5671』用と分けてあるのはその為です。
♯系のスケール
♯系の場合は、変化するのは、それぞれのスケールの7(シ)の音です。(赤枠の部分)
7の音以外は、表のひとつ上の調子と同じです。
♯系の調子は、まず先に、5671(ソラシド)を練習しちゃいましょう!
残りの1〜4は、表のひとつ上の調子の5〜1と同じなので、すでに練習した音の並びですね♪
これをくっつけて、スケールの出来上がりです。
音マップを使った、♯系のスケールの練習の方法はコチラから!!
音マップの解説(知ってる方は飛ばしてもOK!)
スケールを練習する時には、皆さんにはぜひ、『音マップ』を使ってみてもらいたいと思います。
音マップに慣れると、スケールなどを、ピアノやギターのように、『視覚的』に覚える事ができます。
僕がYouTubeにアップしている動画で、ハーモニカの音の配列図のような物を矢印で指している動画を見て下さった方もいると思います。
↓↓↓音マップを使った動画
↓↓↓これが今回使う『音マップ』です。(2オクターブ分:音名(英語)表記)
これは、口にくわえたら何も見えなくってしまう、ハーモニカの音の位置を、視覚的なイメージでとらえる為のものです。
※この記事内では、音名と階名を分けて使用しています。 音名は英語、階名には数字を使います。
横は穴番号、縦は、1つの穴で吹ける音(①吹く音、②レバーを押して吹く音、③吸う音、④レバーを押して吸う音)を示しています。 今回の音マップでは、レバーを押す音は、ピアノの黒鍵をイメージして黒色にしました♪
例えば、C調のスケールはこんな風に表します。(数字は階名)
E♭調のスケールは、こんな感じです。(※赤と青に別れているのは、今は気にしないでください)
♭系の調子は、レバーを押した音を♭表記にしています。
(※そのほかのスケールについては、この後に全て出てきます♪)
これだったら、スケール上の音が、どこに配置されているかパッと見て分かりますよね。
ハーモニカは、音の位置をなんとなく漠然と把握して、感覚で吹いている方がとても多いです。 そうすると、穴の移動、吹き吸い、レバーの操作、など、身体的な動きだけでメロディなどを記憶する事になるので、色々なスケールを覚えても、応用するのが大変です。 例えば音階を覚えたとしても、『ドレミファソラシド〜ドシラソファミレド〜』など、同じ順番でないと吹けない人も多いです。
この『音マップ』に慣れてしまえば、スケールの全体像が、視覚的に、一目で『見える』ようになり、スケールの全体像を『形』で把握できるようになります。
例えば、この調子の3(ミ)はここだ!とか7(シ)はここだ!とか、パッと分かるという事ですね。
みなさんの色々なスケール習得に、役立ってくれると思います。
さあ、実際に、音マップを使って練習してみましょう!!
実際に練習して行きましょう!
スケールを、音マップ上の『フォーム(形)』で覚えてしまいましょう。
音を吹く(吸う)時には、できるだけ頭の中で、音名ではなく、階名を歌いながら吹けたらなお良いですね!
(『移動ド』に慣れない方は、数字(イチ、二、サン)で読んでも良いでしょう。)
階名(度数とも言えますね)を意識しながらスケール練習する事は、メロディを色々なキーで演奏する時、アドリブをする時などにとっても役立ちます♪
※低音域(1〜8穴)の音マップになっていますが、もちろん5〜12穴で練習してもOKです。 ※今回は、『替え指』(FをE♯、CをB♯で吹く事)を使っていません。 まずは基本のスケールを覚えたら、替え指も使ってみましょう♪
★練習用フレーズを作ってみました♪
今回は、とりあえず、それぞれの調子の『ドレミファソラシド』を吹けるのが目標ですが、より階名を意識して練習してもらえるように、また、調性感を感じてもらえるように、簡単なフレーズを考えてみました♪
リズムは適当で良いです。色々な調子で、階名を見て吹いてみましょう!
より、スケールに慣れる事ができるはずです♪
◎1234練習用おすすめフレーズ
1234 321~♪
1432 121~♪
2431 231~♪
4234 321~♪
◎5671練習用おすすめフレーズ(※ここでの1(ド)は高い1です。)
1765 671~♪
1567 171~♪
5671 751~♪
7567 151~♪
♭系
①C調
皆さんご存知、C調のスケールです。これはもう覚えてますよね♪
②F調
最初の方で出て来た、表の順番で練習していきます♫
C調の次はF調です。F調では、BがB♭になります。
まずは、1〜4までを吹いてみましょう!
あとは、解説で言ったように、『5671』(C調の『1234』)と組み合わせるだけ!
③B♭調
B♭調では、EがE♭になります。
同じように、1234を練習してから、5671(F調の『1234』と一緒)を、くっつけます♪
④E♭調
さ、そんな感じでやっていきましょう!
AがA♭になります。
⑤A♭調
DがD♭になります。
⑥D♭調
GがG♭になります。
⑦G♭調(F♯調と一緒なので、F#調を覚えた方は、覚えなくても大丈夫!)
CがC♭(B)になります。
♯系
①C調
もう覚えてますよねー♪ (^)3^)
②G調
G調は、まずFがF#になります。 最初に5671を練習しましょう!
説明であったように、『1234』は、C調の『5671』と一緒です!
③D調
D調では、CがC#になります。
④A調
GがG♯になります。
⑤E調
DがD♯になります。
⑥B調
AがA♯になります。
UFOみたいな形!(^)3^)
⑦F#調(G♭調と一緒なので、G♭を覚えた方は、覚えなくてOK!)
EがE♯(F)になります。
最後に
スケールの、音名と階名を覚えたら、あなたが階名で唄える歌、例えば、『チューリップ』とか『キラキラ星』とかを、覚えたスケールで吹いてみましょう。
チューリップは階名(数字)で書くと、
123 123 5321232
123 123 5321231
5535665 33221
きらきら星は
1155665 4433221
5544332 5544332
1155665 4433221
です。
このような簡単な曲を、たくさんやればやるほど、それぞれの調子のスケールと、階名が身についていくと思います。
最初は、音マップを見ながらでも良いですが、最終的に、頭の中に音マップ上のスケール、階名が、浮かぶようになるように練習しましょう!
練習を繰り返していく事によって、色々な調子で、色々なメロディやフレーズを演奏できるようになるはずです!!
もちろん、人によって時間はかかると思いますが、頭に浮かんだメロディを、色々な調子で吹けるようになるための、第一歩です。 少しずつ、楽しんで練習してみて下さい! (^)3^)♪