ダンマリヶ丘のハーモニカ吹きたち【第4話】ジュウスケの おと

その他
  1. あるひ、
    ジュウスケが
    モカさんの こうぼうに
    やってきました。

てには、
いつもの ちいさな ハーモニカ。

その すがたをみて、
ヂムが ぽつりと いいました。

「じゅっちゃん」

ジュウスケは
にかっと わらいました。

「おう、ヂム」

「モカさん、
これ なおる?」

モカさんは
ハーモニカを うけとると、
ちょっと みて、
すぐに いいました。

「なおるよ。
でも ジュウスケ」

「ん?」

「ちょっと つよく ふきすぎだよ。
このハーモニカで、こんなふうに
リードが おれるやつは、
そう いないぞ」

ジュウスケは
へへっと わらって、
「そうかな」
と いいました。

モカさんは
てきぱきと ハーモニカを なおします。

ちいさな ねじ。
うすい リード。
ぴかっと ひかる カバー。

その よこで、
ヂムが じっと
みています。

やがて モカさんは、
なおった ハーモニカを
ジュウスケに かえしました。

ジュウスケは
うれしそうに うけとると、
すうっと いきを すって、

ぷうー……

と、
ひとふれーず ふきました。

すこし かっこよくて、
すこし さびしくて、
でも なんだか
こころが ほどけるような おとでした。

その よこで、
ヂムが じぶんの
あかい ハーモニカを
ぎゅっと もって、
きりっと かまえました。

そして――

ぷう。
ぴょ。
ぷぴー。

ジュウスケの まねを
したつもりなのに、
でてきた おとは
ことりが はねるみたいな、
ちいさくて かわいい おとでした。

でも ヂムの かおは、
すっかり いちにんまえです。

ジュウスケは
おもわず わらって、

「ヂム、
おまえ
かおだけは
いちにんまえだなあ。
なんだか、
ミニハーモニカが
おおきくみえるよ。」

と いいました。

ヂムは まだ きりっとした かおのままで、
もういちど

ぷう。
ぴょ。
ぷぴー。

と ふきました。

モカさんは
くすっと わらって、
こう いいました。

「ヂムの ブルースだな」

こうして きょうも、
モカさんの こうぼうには
なおった ハーモニカの おとと、
ちいさな まねっこの おとが
ならんで ひびいていたのでした。

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